ビタミンDは、妊娠するために必要不可欠な栄養素の一つです。

一部の不妊治療専門のクリニックでは、血液検査でビタミンD濃度を測定し、不足していればサプリメントで補うという治療も行われているほど、その効果が認められています。

ビタミンDが不足すると不妊につながるため、妊活女性は積極的に摂る必要があります。ただ、具体的にどのような効果があるのか、またどれくらいの量をどのようにして摂ればいいのかを知らない人は多いと思います。

そこで、ビタミンDと不妊との関係やその効果、摂取量などについて解説します。

ビタミンDは女性の妊娠率を上げる

女性がビタミンDを十分摂ることで妊娠率が上がることが知られています。これは、ビタミンDには以下のような効果があるからです。

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を改善し排卵率を上げる
  • 男性の精子の運動能力をあげる
  • 受精卵の成熟を助け子宮内膜の状態を整えることで体外受精の成功率を上げる
  • 着床率を上げる
  • 卵巣に残っている卵子の数の低下を防ぐ
  • 子宮筋腫を予防する
  • 初期の流産を予防する

それぞれについて詳しく解説していきます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を改善し、排卵率を上げる

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、卵巣で小さな卵子がたくさんあるのに大きくなるまで育ちにくく、排卵しにくくなる病気です。排卵がうまく起こらないため不妊につながります。

PCOSの女性は、体内のビタミンD濃度が低いことが知られています。

PCOSの女性とそうでない女性の血液中のビタミンD濃度を比較したスコットランドの調査があります。(Hang Wun Raymond Li et al., Metabolism vol. 60, pp1475-1481, 2011)

この調査によると、PCOSの女性では、深刻なビタミンD欠乏状態の人が44%もいました。一方、PCOSでない女性では、深刻なビタミンD欠乏状態であった人は11.2%でした。

このことから、PCOSの人では、ビタミンDが不足している割合が高いことがわかります。

また、PCOSで排卵しにくい女性にサプリなどでビタミンDを補うことで、排卵しやすくなり生理周期が整うという報告もあります。(E. Wehr et al., J. Endocrinol. Invest. vol.34, pp.757-763, 2011)

この報告によると、PCOSで無月経あるいは生理不順の女性に、1週間あたり500μg(1日あたり約71μg)のビタミンDのサプリを24週間投与しました。すると、46人中23人は無月経が改善し、14人は生理不順が改善しました。

このようにビタミンDはPCOSを改善して排卵を促すため、妊娠しやすくなる効果が期待できます。

男性の精子の運動能力を上げる

ビタミンDが必要なのは女性だけではありません。パートナーである男性にもビタミンDは必要な栄養素です。男性にビタミンDが不足すると、精子の運動率が悪くなり、妊娠しにくくなるといわれています。

1248人の不妊男性を対象に、精液検査と血液検査を行った調査があります。(Martin Blomberg Jensen et al., Human Reproduction, vol.31, pp.1875-1885, 2016)

この調査では、血液中のビタミンD濃度が十分だった男性は、ビタミンDが不足している男性と比べて、運動精子数が66~110%高かったという結果になっています。

このことから、男性が十分な量のビタミンDをとることで精子の運動率が上がり、妊娠しやすくなる効果が期待できます。

体外受精の成功率を上げる

体外受精を受ける女性において、体の中のビタミンDが多いほど体外受精が成功する確率が高いことが知られています。ビタミンDには受精卵の細胞の成熟を助ける働きや、子宮内膜の状態を整える働きがあるからです。

体外受精の成績とビタミンDの関係を調べた研究はこれまで多数報告されていますが、それを包括的に検討した報告があります。(Chu J. et al., Human Reproduction, vol. 33, pp. 65-80, 2018)

この報告によると、血液中のビタミンD濃度が十分な女性は、ビタミンDが不足している女性と比べて妊娠率は1.46倍、出産率は1.33倍高くなっています。

不妊治療専門の病院では、体外受精がうまくいかない女性に対して血液中のビタミンDの濃度を測り、不足している場合はサプリで補うという治療が行われることもあります。

着床率を上げる

ビタミンDは、子宮内膜の環境を整えて着床率を上げる働きがあります。

アメリカにおいて卵子提供による体外受精を行った女性の血液中のビタミンD濃度を測定した調査があります。(Briana J. Rudick et al., Fertility and Sterility, vol.101, pp.447-452, 2014)

卵子提供とは、「治療を受ける女性自身の卵子ではなく、別の第3者の卵子を使って体外受精を行う」ことによります。

通常の体外受精では、卵子の質が成功率に大きく影響すると考えられます。しかし卵子提供の場合は質のよい卵子を選んでいますから、この調査では子宮の着床環境だけに注目した調査であるといえます。

この調査では、ビタミンDが欠乏している女性の妊娠率は38%であったのに対し、ビタミンDが足りている女性の妊娠率は78%でした。

このことから、ビタミンDは子宮内膜の状態を整え着床率を上げる働きがあることがわかります。

卵巣に残っている卵子の数の目安であるAMHの低下を防ぐ

AMHとは、不妊治療専門の病院で血液検査を実施し、調べることのできる数値です。女性の卵巣にどれくらいの数の卵子が残っているか(卵巣予備能)の目安になります。

この数値が高ければ、卵巣に残っている卵子が多いことになります。卵子の残りが多いと、妊娠のチャンスが多く残されているということになります。

アメリカで388人の女性を対象に行われた調査があります。(Zaher O. Merhi et. al., Fertil. Steril vol.98, No.1, pp.228-234, 2012)

この調査では、女性の血液中のビタミンD濃度とAMHとの関係を調べています。その結果、40歳以上の女性では、血液中のビタミンD濃度が高いほどAMHも高くなっていました。

通常は、卵子は年齢とともに数が減っていくため、AMHの値も年齢とともに下がっていきます。しかし、ビタミンDを十分摂ることで卵子の減少が抑えられ、AMHが下がりにくくなると考えられます。

子宮筋腫を予防する

ビタミンDが不足している女性は子宮筋腫になりやすいといわれています。

子宮筋腫とは、子宮にできる良性のこぶのようなものです。このこぶが大きくなると、受精卵が着床するのを妨げることがあるため、不妊につながります。

154人の女性を対象に行われた調査があります。(Sabry M et al., Int. J. Womens Health. vol. 5, pp.93-100, 2013)

この調査によると、子宮筋腫のある女性では、子宮筋腫がない女性よりも血液中のビタミンD濃度が低いという結果になっています。また、子宮筋腫のある女性の中でも、血液中のビタミンD濃度が低い人ほど子宮筋腫の程度がより大きいという結果になっています。

また、1034人の女性を対象とした別の調査があります。この調査では、血液中のビタミンD濃度が高い人は、ビタミンD濃度が低い女性と比べて子宮筋腫になるリスクが約32%低かったという結果になっています。(Baird Donna Day  et al., Epidemiology. vol.24, pp.447-453, 2013)

ビタミンDは、細胞が異常に増殖するのを抑える働きがあります。十分な量のビタミンDをとると、子宮筋腫の細胞が異常に大きくなるのを防ぐ効果があると考えられています。当然、子宮筋腫の予防は不妊治療にもつながります。

初期の流産を予防する

デンマークの妊婦さん1684人を対象に、血液中のビタミンD濃度と流産との関係を調べた調査があります。それによると、ビタミンDが不足している女性では、足りている女性と比べ、初期の流産になるリスクが2.5倍高くなるという結果になっています。(Louise B Andersen et al., the Amerikan Journal of Clinical Nutrition, vol.102, pp.633-638, 2015)

また、3回以上の流産を繰り返している(習慣性流産)女性133人の血液中のビタミンD濃度と免疫系の異常を調べた調査があります。

それによると、習慣性流産の女性133人中63人は血液中のビタミンDが不足していました。また、ビタミンDが不足している女性は免疫異常のリスクが高くなることがわかりました。(Kuniaki Ota et al., Human Reproduction, vol.29, pp.208-219, 2014)

ビタミンDは免疫機能にかかわっています。ビタミンDが不足すると免疫機能がうまく調節できなくなり、おなかの中に宿った赤ちゃんを異物として認識し攻撃してしまうことで、初期流産になるのではないかと考えられています。

このことから、ビタミンDには初期流産を防ぐ効果があるといえます。

不妊治療専門のクリニックでのビタミンD測定について

不妊治療専門のクリニックでは、体外受精がうまくいかない患者に対して血液検査でビタミンD濃度を測定し、不足していればサプリで補うという治療を行っているところがあります。

通常は、体外受精を何回か行ってもうまくいかない場合に検査を勧められる場合が多いですが、それ以外の場合でも本人の希望があれば検査してもらえます。

検査の費用はクリニックによって異なりますが、2500円~8000円程度のところが多いです。自由診療なので健康保険は適応されず、全額自己負担となります。検査結果が出るのに1~2週間程度の時間がかかる場合が多いです。

ビタミンDは人の体の中に入ると肝臓で代謝を受け、「25(OH)ビタミンD」というものに変わります。不妊治療専門のクリニックで測定されるビタミンD濃度は、この25(OH)ビタミンDを測定した値として表されます。

よく似た検査項目として、「1,25(OH)2ビタミンD」というものがあります。これは、25(OH)ビタミンDが腎臓の働きによりさらに変化したものです。

妊活や不妊治療で重要なのは25(OH)ビタミンDのほうです。不妊治療専門ではない病院で測定される場合、測定項目が1,25(OH)2ビタミンDではなく25(OH)ビタミンDであることを確認しましょう。

妊娠を目指す女性にとっての25(OH)ビタミンDの基準値は、30~50ng/mLといわれています。クリニックによっては独自の基準を設けている場合もあります。

基準に満たない場合はビタミンDのサプリを飲んで不足を補います。数週間後に再度検査して、数値が改善しているかどうかを確認します。改善していれば、引き続きサプリを続けながら妊活・不妊治療を行います。改善していなければビタミンDサプリの量をさらに増やして再々検査を行います。

不足していた場合にどれくらいの量のビタミンDサプリを飲めばいいかは個人差がありますが、通常は1日あたり15~50μg程度の場合が多いようです。市販のサプリを自分で購入して飲んでもかまいませんし、クリニックで取り扱っているサプリの購入を勧められる場合もあります。

私が通っているクリニックでは、体外受精が2回うまくいかなかった場合にビタミンD検査を勧めているようです。私の場合は、体外受精を1回失敗した後に自分から希望して検査してもらいました。

通常の血液検査と同じく腕の静脈に針を刺して採血します。以下の写真は採取された血液が入っている容器です。

このときは、ビタミンD以外にも複数の項目を同時に検査してもらっていたため採血容器の数が多いですが、ビタミンD採血のみの場合は1本で済みます。

以下の写真は費用の明細書です。消費税込みで2592円でした。

約2週間後に結果を聞きに行きました。以下の写真は検査結果です。

測定結果は32.0ng/mLでした。クリニックの基準値は30~49ng/mLなので、基準範囲内におさまっています。この検査をする3ヶ月ほど前から、市販のビタミンDサプリを1日25μgずつ飲んでいました。サプリを飲んでこの値なので、もしサプリを飲んでいなかったら不足していたと思います。

ビタミンDを増やすには日光浴が必要

ビタミンDは食べ物やサプリなどからとるだけでなく、太陽の光に当たることで体の中でも合成されます。1日に必要なビタミンDのうち、日光浴で合成される分は約80%、食べ物からとる分は約20%といわれています。

体内のビタミンDを増やすためには、ビタミンDを多く含む食べ物をたくさん食べることに加え、太陽の光を十分に浴びて日光浴をする必要もあります。

では、具体的にどれくらい日光に当たる必要があるのでしょうか。

日本ビタミン学会によると、夏場では1日30分、冬場では1日1時間程度の日光浴を推奨しています。

しかし、季節や天気、住んでいる場所などによって、必要なビタミンDを合成できる日光浴の時間は異なります。

10μgのビタミンDを体内で合成する場合にどれくらいの時間がかかるかを、札幌、つくば、沖縄の3地点で調べたデータがあります。

それによると、晴れの日に両手と顔を太陽の光に露出し日光浴をした場合、夏の沖縄では5分程度で必要なビタミンDを合成することができます。しかし、冬場には、つくばでは41分、札幌では139分も日光浴をしないと、必要なビタミンDを合成できないという結果になっています。(出典;国立環境研究所ウェブサイト)

このような長時間の日光浴を毎日行うことは現実的ではありません。しかも、美容を気にする女性にとって紫外線はお肌の大敵です。日焼けによりシミやしわが増え、肌が老化する原因となってしまいます。毎日これだけの時間を屋外で過ごし、日焼け止めも塗らずに顔に日光を当てるなんて考えられないでしょう。

ですから、特に女性は日光浴によるビタミンDが不足している人が多いと考えられます。紫外線対策をしっかりしていると、日光浴により合成される分がほぼゼロになるので、特にしっかりと食事やサプリなどからビタミンDをとる必要があります

ビタミンDの食べ物からの摂取量はどれくらいか

成人女性のビタミンDの食べ物からの摂取の目安量は、1日当たり5.5μgです。目安量とは、「これくらい摂取していれば不足することはないでしょう」という最低限の量です。

この摂取の目安量の5.5μgという数字は、食べ物から摂取する分だけを考えた場合の数字です。一方、ビタミンDの食べ物からの摂取の割合は約20%で、日光浴により合成される分が約80%といわれています。

特に女性はUVカット効果のある化粧品や日焼け止めなどを使用し紫外線を避けている人が多いです。このような人は、日光浴により体の中で合成されるはずの80%がほぼ0になります。そのため、27.5μgくらいは食事から摂らないといけないという計算になります。

2018年の厚生労働省の調査によると、日本人女性の食事からのビタミンDの摂取量の平均は、20代で5.9μg、30代で5.8μg、40代で6.0μgとなっています。

この数字と目安量の5.5μgという数字だけを見ると、一見足りているように見えます。しかし、日光浴をしない人では27.5μgくらい必要であることを考えると、十分であるとは言えません。妊娠を望む女性は特に意識してビタミンDを多くとる必要があります。

また、不妊治療専門の病院などで治療のために使用される場合の摂取量の目安は、1日あたり15~50μg程度です。

摂取量の上限は1日あたり100μgですが、通常の食事でこの量を超えることはまずないため、摂りすぎを気にする必要はありません。サプリで補う場合はこの上限量を超えないように注意しましょう。

  • ビタミンDを多く含む食品

ビタミンDは、干しシイタケやきのこ類、魚などに多く含まれます。

食品に含まれるビタミンDは大きく分けて2種類あります。一つは、きのこなどの植物性の食品に含まれるビタミンD2です。もう一つは、魚などの植物性食品に含まれるビタミンD3です。

ビタミンD3のほうが、体の中でより効率よく働くといわれています。

以下に、動物性の食品に含まれるビタミンD3の量を示します。

  • あんこう肝1切れ50g   55.0μg
  • マイワシ丸干し5尾60g  30.0μg
  • うなぎかば焼き1串100g   19.0μg
  • あゆ養殖焼き2尾100g    17.4μg
  • 焼き鮭1切れ80g     16.8μg
  • さんま焼き1尾70g    9.1μg
  • さば1切れ100g       5.1μg
  • まぐろトロ刺身8切れ80g 4.0μg
  • しらす干し大さじ1杯5g   3.0μg

次に、きのこなどの植物性の食品に含まれるビタミンD2の量を示します。

  • 乾燥きくらげ5g     4.3μg
  • 干ししいたけ(乾)10g  1.3μg
  • まいたけ(生)100g   4.9μg
  • エリンギ(生)100g   1.2μg
  • えのき(生)100g    0.9μg
  • ぶなしめじ100g     0.6μg

ビタミンDを含む簡単レシピ

魚は多くのビタミンDを含むため、妊活女性は積極的に摂りたい食材です。しかし、魚料理に苦手意識がある人もいると思います。

焼き魚は、使用後のグリルのお手入れがとても面倒です。また、煮魚は味付けが難しかったり煮崩れしてしまったりするため、うまく料理するにはコツが必要です。なれない人にとってはなかなか難しいです。

そこで、魚料理が苦手な人でも簡単にできる魚料理を紹介します。

・鮭ときのこのホイル焼き

【材料(2人分)】

  • 鮭の切り身      2切れ
  • お好みのきのこや野菜 約100g
  • 酒          小さじ1
  • しょうゆ       小さじ1
  • 塩・こしょう     少々

【作り方】

  1. 鮭は両面に塩・こしょうを振る。
  2. きのこや野菜は食べやすい大きさに切る。
  3. アルミホイルを2枚用意し、それぞれに鮭ときのこ・野菜をのせる。
  4. 塩・こしょう、酒を振りかけ、アルミホイルの端をしっかり包む。
  5. フライパンに4.を入れ、1㎝ほど水を入れる。フライパンを火にかけ、ふたをして15分ほど加熱し蒸し焼きにする。
  6. お皿にのせ、アルミホイルを開けてしょうゆをかける。お好みでレモンやバターなどをのせてもよい。

・レンジで作るさばの味噌煮

【材料(2人分)】

  • さばの切り身 2切れ
  • しょうが   1片
  • みそ     大さじ2
  • 砂糖     大さじ1
  • みりん    大さじ1
  • 酒      大さじ1
  • しょうゆ   小さじ2
  • 大根おろし、かいわれ大根 各適量

【作り方】

  1. しょうがは薄切りにする。
  2. 調味料(みそ、砂糖、みりん、酒、しょうゆ)はすべて混ぜ合わせる。
  3. 耐熱容器にさばを入れ、しょうがをのせ、混ぜ合わせた調味料をかける。
  4. 電子レンジで5~6分加熱し、そのまま少し置いて味をなじませる。
  5. 大根おろしとカイワレ大根を添える。

ビタミンDをサプリで補うときに気を付けること

通常の食事だけでは足りないビタミンDを効率よく補いたい場合は、サプリで摂るのがおすすめです。

通常は、1日に15~25μgのビタミンDをサプリで補うことで、体の中での必要な量は保たれるといわれています。

ビタミンDの1日の摂取量の上限は100μgです。通常の食事ではこれを超えることはまずありませんが、サプリとしてとる場合はこの量を超えないように注意しましょう。

ビタミンDのサプリは夕食後にとるのがおすすめです。ビタミンDは油に溶けやすい性質があるため、食事に含まれる油分と一緒に摂ると吸収されやすくなります。

夕食は、1日のうちで一番食べる量が多いので、含まれる油分の量も朝食や昼食と比べて多いです。たくさんの油分が含まれる食事と一緒にビタミンDをとることでより吸収されやすくなるため、夕食後が一番効率よく吸収されるタイミングとなります。

もし、夕食は軽く、朝食や昼食をたっぷり食べるようにしている場合は、一番たくさん食べる食事の後にサプリをとるようにしましょう。

以下は、ビタミンDのサプリのパッケージの写真です。

このサプリは、ビタミンDを食用油に溶かしてソフトカプセルに充てんされている製品です。ビタミンDは油に溶けやすいため、食用油に溶かすことでより吸収されやすくなっています。

一方、以下は別のビタミンDのサプリです。ネイチャーメイドのサプリメントです。ドラッグストアなどで市販されています。

ソフトカプセルではなく錠剤タイプになっています。

錠剤タイプのものは、ソフトカプセルのものと比べて吸収率が落ちるといわれています。ただ、ソフトカプセルのものよりも生産するときのコストが押さえられるというメリットがあり、値段は安いです。

ビタミンDのサプリはいつまで飲めばいいか

ビタミンDは妊活に必要なだけではなく、妊娠してからも必要です。正常な妊娠の維持や赤ちゃんの発育のために必要であるため、妊娠中や授乳中も継続して摂る必要があります。

妊娠中にビタミンDが不足すると、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群、帝王切開などのリスクが高くなるといわれています。

また、妊娠中のお母さんのビタミンD不足は、生まれてくる赤ちゃんの骨が弱くなったり、小さい子供が生まれてきたりするリスクにもつながります。その他にも、生まれてくる赤ちゃんの喘息や呼吸器感染症、湿疹、認知機能障害、自閉症のリスクも上がるといわれています。(Janelle Luk et al., Human Reproduction, vol.27, pp3015-3027, 2012)

出産後もビタミンDは必要です。母乳を通して赤ちゃんにビタミンDを届ける必要があるからです。授乳中のお母さんにビタミンDが不足すると、赤ちゃんがくる病になるリスクが上がります。くる病とは、骨の発育がうまくいかない病気で、関節の変形や成長障害が起こります。

このように、妊活中だけでなく妊娠中や授乳中にも継続してビタミンDが必要となります。食事や日光浴だけでは足りない場合、ビタミンDのサプリメントは授乳が終わるまで続ける必要があるといえます。

まとめ

ビタミンDは、妊娠するために必要不可欠な栄養素です。ビタミンDの体内の濃度が高いほど妊娠率が上がることが知られています。

多嚢疱性卵巣症候群(PCOS)を改善する効果や子宮筋腫を予防する効果、卵巣に残っている卵子の数(AMH)の低下を防ぐ効果、男性の精子の運動率を改善する効果、体外受精の妊娠率を上げる効果、着床率を上げる効果、初期の流産を防ぐ効果など、様々な効果があります。

不妊治療専門の病院では、不妊治療がうまくいかない女性に対して血液中のビタミンDを測定し、足りない場合はサプリメントで補うという治療を行っているところもあります。

特に不妊治療専門の病院で治療として使用される場合の摂取量の目安は、1日あたり15~50μg程度です。1日の上限量は100μgです。

ビタミンDをサプリメントとして補う場合は、夕食後に摂ると一番吸収されやすくなります。また、錠剤タイプよりも、ソフトカプセルのタイプの方が、吸収されやすいといわれています。