カフェインは女性の不妊に関係するといわれています。したがって、妊娠を希望する女性は、カフェインを含むコーヒーを控えるべきであると一般的には言われています。

しかし、コーヒーを完全にやめることは、たとえ妊娠を希望していたとしてもかなりのストレスです。

そこで、カフェインを含むコーヒーを飲むことによって具体的にどのような影響があるのか、どれくらいの量なら大丈夫なのか確認していきます。また、おすすめの飲み方や、コーヒーの代用についても紹介します。

コーヒーを1日2~3杯までなら大丈夫

まず、どれだけの量のカフェインであれば不妊に結びつかないのでしょうか。結論を言えば、1日2~3杯のコーヒーは妊娠しやすさに影響しません。これは、アメリカで18000人の女性を対象に行われた疫学調査により得られた結果です。

この調査では、1日2~3杯程度のコーヒーを飲む人と飲まない人とを比較した結果、妊娠にいたる確率は変わらなかったことが明らかになりました。さらに、同量のノンカフェインコーヒーを飲む人と比較しても、妊娠の確率は変わりませんでした。

したがって、1日2~3杯までなら、カフェインを含むコーヒーを飲んでも大丈夫であるといえます。

多量に摂取すると卵管障害や着床障害の可能性が高くなる

1日2~3杯のコーヒーで不妊になることはありません。しかし多量のカフェインをとると、卵管障害や着床障害につながって妊娠しにくくなる可能性があります。

卵管には、排卵された卵子をつかまえて取り込む働きがあります。また、卵管は精子と卵子が出会う受精の場でもあり、受精卵を子宮まで運ぶという役割もあります。

カフェインを摂ることによってこの卵管の動きが鈍くなり、受精卵を運ぶ力が弱まるため、受精卵が子宮まで運ばれるのが遅くなり、結果として妊娠にいたる確率が下がるといわれています。

また、カフェインを摂ることで子宮内膜の状態が悪くなる可能性もあります。子宮内膜は受精卵が着床するベッドの役割を果たすため、この状態が悪くなると受精卵が着床できず、妊娠にいたる確率が下がるといわれています。つまり、着床障害を引き起こします。

この様な理由から、コーヒー4杯以上のカフェインを摂取すると妊娠しにくくなる可能性があります。妊活中の女性は1日2~3杯までに控えるべきであるといえます。

さらに、もし妊娠できたとしても多量のカフェインにより流産しやすくなる可能性があります。

母親が摂取したカフェインは胎盤を通じて胎児の体まで届きます。胎児は大人と違ってカフェインを代謝する能力が低いため、カフェインが長い間体の中に残ってしまいます。その結果、流産につながる可能性があると考えられます。

したがって、妊活中だけでなく妊娠が成立してからもコーヒーを飲むときは1日2~3杯までに控えるべきです。

緑茶など、ほかのカフェインを含む飲み物は避けるべきか

カフェインを含む飲み物はコーヒーだけではありません。緑茶や紅茶などにもカフェインが含まれています。そのため、カフェインの摂取量を考えるときは、コーヒー以外の飲み物にも含まれるトータルの量を考えるべきです。

以下に、それぞれの飲み物150mLあたりに含まれるカフェインの量を示します。

飲み物 1杯(150mL )当たりのカフェインの量
コーヒー(ドリップ) 90mg
コーヒー(インスタント) 80mg
玉露 240mg
煎茶 30mg
番茶 15mg
ほうじ茶 30mg
玄米茶 15mg
ウーロン茶 30mg
紅茶 45mg

1日4杯以上のコーヒーを飲むと妊娠しにくくなるといわれています。コーヒー1杯(ドリップ)には約90mgのカフェインが含まれていますので、コーヒー4杯はカフェインの量でいうと360mgに相当します。つまり、1日360mg以上のカフェインをとると不妊につながる可能性があります。

妊活中は、コーヒー以外の飲み物に含まれるカフェインにも気を付けるべきです。緑茶や紅茶などにもカフェインが含まれます。カフェインのトータルの量が1日360mg以上にならないように注意しましょう。

妊娠の可能性がある高温期はコーヒーを控えるべきか?

妊娠反応を待つ間の高温期の過ごし方については、妊活中の女性にとってはとても気になることだと思います。少しでも妊娠に悪い影響を及ぼす可能性のあることはできる限り避けたいと考えるのは普通でしょう。

しかし、「高温期だけカフェインを控えることで妊娠しやすくなる」という調査結果はありません。つまり、ある時期だけコーヒーを我慢しても意味がないのです。

アメリカで18000人の女性を対象に行われた疫学調査の結果によると、1日2~3杯のコーヒーで妊娠しにくくなることはありませんが、これは生理周期の全期間を通して毎日平均2~3杯という意味です。低温期のみ、あるいは高温期のみを対象にした調査ではありません。

しかし、1日2~3杯までなら問題ないということは、低温期であっても高温期であっても同様に2~3杯までなら大丈夫だと判断できます。もし気になるようでしたら控えてもいいですが、全く飲まないことでストレスがたまり悪影響になるようならば飲んだほうがいいかもしれません。

おすすめのカフェイン飲料の飲み方

1日2~3杯までならカフェインを含むコーヒーを飲んでも問題ありません。しかし、妊活中にコーヒーを飲むときには、気を付けるべきことが3つあります。

1つ目は、飲む時間帯です。コーヒーには覚醒作用や胃酸を出しやすくする作用があるため、飲む時間によっては眠れなくなったり胃を荒らしたりするからです。

2つ目は、一緒に入れる砂糖やミルクについてです。一緒に入れる砂糖が多すぎると妊娠しにくくなる可能性があります。また、入れるミルクの種類によって妊娠しにくくなる可能性もあります。

3つ目は、たくさん飲みたい場合の代用品の選び方です。通常のカフェインレスコーヒーを利用するのは問題ありません。しかし、タンポポコーヒーを飲みすぎると妊娠しにくくなる可能性があるため注意が必要です。

以下に、コーヒーを飲むときに気を付けるべきことと、おすすめの飲み方について詳しく説明します。

夜遅い時間と空腹時は避ける

カフェインには覚醒作用があるため、夜に飲むと眠れなくなる可能性があります。十分な睡眠がとれないと疲労がたまったり、睡眠中に分泌されるホルモンの量が減ってしまったりして、妊娠しにくい体につながる可能性があります。したがって、コーヒーを飲むときは夜遅い時間を避けて飲むのが望ましいです。

また、カフェインには、消化を助ける胃酸を出しやすくする働きがあります。そのため、胃が空っぽの時に飲んでしまうと胃の粘膜を傷つけ胃を荒らしてしまう可能性があります。

逆に胃の中に食べ物がある食後に飲むと、消化を助ける働きがあります。したがって、コーヒーを飲むときはできれば空腹時を避け、食後に飲むのが望ましいです。

私の場合は、職場で昼休憩の時にコーヒーを飲んでいました。

 

職場の休憩室にスティックタイプのインスタントコーヒーが置いてあり、食後にみんなでコーヒーを飲みながらおしゃべりする時間があったからです。

このとき、妊活中だからといって自分一人だけコーヒーを飲まないというのは手持ち無沙汰です。また、自分自身にとって安らぎの時間となっていたのでコーヒーを飲むのをやめることができませんでした。

私の職場ではそういう習慣があったため、みんなに合わせて飲んでいましたが、コーヒーを飲むタイミングとしては昼の時間ですしちょうどよかったのではないかと思います。

コーヒーに砂糖を入れない

糖分の取りすぎは排卵障害のリスクを上昇させます。そのため、コーヒーには砂糖を入れずに飲むことをお勧めします。

砂糖を多く入れたコーヒーを飲むと糖分が体に吸収され、血液中にたくさんの糖分が取り込まれ、血糖値が急上昇します。血糖値が急上昇すると、こんどは血糖値を下げるためにインスリンというホルモンがたくさん分泌されます。

血糖値やインスリンの値が高い状態が続くと、生殖に関わるホルモンのバランスが崩れやすくなります。結果として、排卵しにくくなったり、排卵が起きなくなったりしてしまうことがあります。したがって、コーヒーに砂糖をたくさん入れるのはお勧めできません。

また、コーヒーと一緒にお菓子を食べすぎるのもよくありません。お菓子に含まれる糖分も同様に、血糖値を上昇させるからです。ホルモンバランスが崩れて排卵が起こりにくくなるのを防ぐため、コーヒーに入れる砂糖や一緒に食べるお菓子の取りすぎには注意しましょう。

甘党の場合はコーヒー牛乳にするといい

砂糖をたくさん入れるのはお勧めできませんが、それでも甘いコーヒーを飲みたいというときは、牛乳をたっぷり入れるとほんのり甘みを感じることができるのでお勧めです。

このとき、成分無調整牛乳(脂肪分を調整されていない牛乳)や乳製品を適量摂ることは排卵障害のリスクを低減します。逆に、脂肪分の量を調節されている低脂肪乳や低脂肪ヨーグルトなどの乳製品は排卵障害のリスクを高めます。

つまり、低脂肪乳などを摂りすぎると、排卵が起こりにくくなったり排卵しなくなったりしてしまう可能性が高まります。コーヒーに入れる市販のミルクは「脂肪分の量が調整されている乳製品が原料」であるものが多いため、妊活中の飲み物に入れるのにはあまりお勧めはできません。

このことから、コーヒーにミルクを入れたりコーヒー牛乳にしたりして飲む場合は成分無調整牛乳を使用することをお勧めします。

たくさん飲みたい場合はノンカフェインのものを利用する

4杯以上のコーヒーを飲みたければカフェインレスコーヒーを飲むことをお勧めします。インスタントやドリップタイプのもの」「コーヒーマシン専用のカプセルタイプのもの」など、いろいろな種類のカフェインレスコーヒーが市販されていますので、好みに合わせて選ぶことができると思います。

私が家でコーヒーを飲むときには、インスタントのものと、ドルチェグストのカフェインレスコーヒーを飲んでいました。

以下はカフェインレスのインスタントコーヒーです。

また、以下はドルチェグストのカフェインレスコーヒーです。

味や香りは、カフェインを含むコーヒーとほとんど変わりありませんので、コーヒーが好きでやめられないけどカフェインの摂りすぎが気になるという人はカフェインレスコーヒーを飲むようにしましょう。

タンポポコーヒーは妊娠しにくくなる可能性がある

タンポポコーヒーとは、タンポポの根を乾燥させて焙煎したものです。コーヒーと名前はついていますが実際にはコーヒー豆は使われておらず、カフェインも含まれていません。

以下は、ドリップタイプのタンポポコーヒーです。

見た目や色はコーヒーと同じですが、味や香りはコーヒーというより濃く煮だした麦茶のような感じです。しかし牛乳をたっぷり入れて飲むとカフェオレに近い味になります。

カフェインが入っていないので妊活中にコーヒーの代わりに飲んでいる人もいるかもしれません。私も妊活中にコーヒーを飲みたくなったとき、以前はドリップタイプのタンポポコーヒーをよく飲んでいました。しかし、タンポポコーヒーを飲みすぎるとかえって妊娠しにくくなる可能性があるので注意が必要です。

タンポポコーヒーは母乳の出をよくするといわれており、もともとは母乳育児中のお母さんにいいといわれています。

しかし、ノンカフェインであるということと、赤ちゃんができたお母さんが飲むものであるということから、子供を授かりたい妊活中の女性の体にもよさそうというイメージがついてしまっているようです。しかし、実際にはタンポポコーヒーを飲みすぎるとかえって不妊になる可能性があります。

タンポポの根には、母乳を作るホルモンであるプロラクチンの値を上げ、母乳の出をよくする効果があるといわれています。授乳中の女性にとってはプロラクチン値が上がることはいいことですが、妊娠を望む女性にとってはそうではありません。プロラクチンには排卵を抑制する作用があるからです。

妊活中の女性がタンポポコーヒーを飲むことでプロラクチン値が上がってしまうと、排卵が起こりにくくなって妊娠しにくくなる可能性があります。したがって、妊活中の女性はタンポポコーヒーを飲むべきではありません。

まとめ

カフェインを含むコーヒーは、1日2~3杯までなら飲んでも問題ありません。しかし、1日4杯以上のコーヒーを飲むと、排卵障害や着床障害の可能性が高まり、妊娠しにくくなってしまうことがあります。

コーヒー以外にもカフェインを含む飲み物があるため、緑茶や紅茶などを飲む場合もカフェインの摂りすぎに注意が必要です。カフェインのトータルの量として1日360㎎以上にならないようにしましょう。

それ以上のコーヒーを飲みたい場合はカフェインレスコーヒーを利用するようにしましょう。タンポポコーヒーは妊娠しにくくなる可能性があるため、妊活中にコーヒー代わりに飲むのはやめましょう。

カフェインを含むコーヒーを飲む時間帯は、夜遅い時間と空腹時を避けて食後に飲むのがおすすめです。また、一緒に入れる砂糖はできるだけ控えたほうがよいです。甘いコーヒーが飲みたい場合は成分無調整の牛乳を入れましょう。

こうした注意点を認識したうえで、妊活中のコーヒーを楽しむようにしましょう。